回想法は基本的にマンツーマンで行うのが理想とされています。しかしながら今回は、心療回想士2名に対し参加者が7名。　　　介護士の方々に応援していただいても1対1は不可能でありつつも、予め施設の介護士の方々に（回想法をご存じないことを前提に）参加者でお話ししたそうな方がいらしたら聞いてもらうようお願いしていました。その際には「聞いてあげる」のではなく「教えてもらう」という姿勢で接していただきたいと。ところが参加の皆さんが終始とても明るく無邪気に我々心療回想士に向けてお話ししてくださっていたせいか、介護士の方々も安心されたようで参加の皆さんの傍に付いていながら一緒になって音楽、映画を楽しまれ、お喋りしているようでした。その様子はお客様と職員というよりおばあちゃんと孫の様に映り、私はとても嬉しい気持ちになりました。

なぜなら高齢者施設、介護の現場に足を踏み入れたのは今回が初めてで、そこに明るさは余りなく沈んだ感じをイメージしていたからです。さらに実施中の盛り上がりの様子や室内に流れる懐かしい音楽に興味を持たれたのか、同フロアにいらした参加以外の方々も集い、最終的には1２名以上の高齢者の方々に初のパーソナルソング・メソッドを実施する結果となりました。また、後から伺ったのですが、普段全然喋らない方が随分お話になっていたそうで「○○さんの声を初めて聞いた…」など介護士の方が驚かれていました。これらは間違いなく弊社の「パーソナルソング・メソッド」のデフォルトとなり、今後ここからプラスやマイナスを思案し、実施し、より多くの高齢者の方々に過去の自分の自慢話をして頂き自己肯定感を引き出すお手伝いができればと思っています。この機会を与えてくださった施設のスタッフの皆様、ご参加くださったお客様に心から感謝いたします。